オフラインのRTAイベント用の配信環境について
先月の5月に、『RTA in Japan for #C4LANJP』というRTAのオフラインのゲーム配信イベントを開催していました。
RTAとなると使うゲーム機も人それぞれとなり、特に配信環境の整備が難しいのですが、今回のイベントではそこまで大きなトラブルはなかったためどのように配信を行ったかのメモを残しておきます。
使用PC
LANパーティーの会場を借りてのイベント開催だったため、PCも現地でレンタルPCを調達しました。
調達したPCはG-Tuneのもので、『NEXTGEAR i850 シリーズ (X99) 』です。
この中で『NEXTGEAR i850GA8(249,800円のもの)』をレンタルして使いました。
ゲーム機からキャプチャして取り込んだものを1280×720(720p)の配信映像として30fpsで配信しましたが、CPU使用率は常時10%程度でした。配信の安定が一番だと考えて配信設定をしましたが、おそらくこのPCなら1080pの60fpsくらいは余裕で安定します。
配信時間が30時間を超えたところで音声が出なくなるというトラブルはありましたが、これはOBS Studioを再起動で直ったのでエンコードソフト側の問題だと思われます。48時間くらいずっとイベントを行っていたのですが、PC自体は最初のドライバインストール時の再起動以外は全く再起動することなくいけました。
キャプチャ機器
コンポジット、S端子までのゲームは『GV-USB2』、HDMIのゲームは『C988』で問題ありませんでした。
GV-USB2については同時に2つ接続してレース形式で配信できることを確認しており、C988はHDMIで繋ぐ新し目のゲーム機のために使っています。
C988は今回のイベントでは1つしか使用しませんでしたが、2つ以上接続することを前提に開発されているキャプチャ機器のため、レース形式にも対応できるものと思われます。
Webカメラ
『C525』というUSBで繋げるWebカメラを使用しました。
安価ながら暗所に強いのが特徴で、オートフォーカスなのでカメラが動いても照準が勝手に合ってくれます。
3,000円程度と安価で画質も割といいのですが、30fpsまでしか出せないので、60fpsで配信をしたいというときは不向きです。
そういう場合はもっと高級なWebカメラをご用意いただければと思います。
テレビ・モニター
テレビはブラウン管テレビをプレイヤーに持参してもらい、モニターは会場のレンタルモニターを利用しました。
モニターについては、コンシューマー機でほとんどの方はプレイされるでしょうから、Hz数などはあまり気にせず応答速度が1msであれば何でもいいとは思います。
ブラウン管テレビについては、構造上遅延が起こり得ないことから今回使いましたが、普段は遅延のある液晶テレビなどでプレイされている方もいるためそういった方への配慮は難しいです。練習用スペースが設置できれば一番です。
分配器
分配器はHDMI分配であればC988単体で分配できるので問題ありません。
問題は、コンポジットとS端子の分配器です。FC(ニューファミコン)はコンポジ端子しか接続できないので全てをコンポジに合わせればいいのですが、少しでも綺麗な映像のためにS端子を使いたい方もいます。今回はコンポジとS端子の分配器を両方用意しました。
また、コンポジ端子はレーズ形式のゲームもあったため分配器を2つプレイヤーに用意してもらいましたが、分配器の種類やゲーム機(ニューファミコンとツインファミコン)が違ったことで同じゲームを映しても画面の映りが微妙に違うという問題が起きました。コンポジはアナログ信号のため分配器の種類で映像の映りが左右されるからなのですが、レース形式の場合できれば分配器も合わせたほうが良さそうです。
音声周り
マイクはSamsonのGo Micというものを使いました。
ミキサーがあればマイク端子を複数挿せるのですが、今回はなかったため置くタイプのマイクを一つにしました。
大声を出すと音が割れてしまいますが、会場はかなり騒々しく会場の音が入って音が割れることが多くありました。これはLANパーティー内という特殊例ですので、普通のRTA会場なら問題ないのではないかと思います。
その他
今回はレンタルPCだったため、キャプチャ機器のドライバやストップウォッチ(LiveSplit)などを詰めたUSBメモリを持っていきました。
まとめ
日本ではオフラインのRTAイベントに関するノウハウの蓄積がまだほとんどないのですが、おそらくこれから活発化されるものと思います。
使ったPCなどの情報は特に重要ですので、オフラインイベントを開催されることがあればできればそれらの情報は多くが共有できるように公開していただけたらと思います。